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2012年3月20日 (火)

カタクリ

20   昨日、千葉市の昭和の森公園を訪ねた親父さん。よっぽど感慨があったんだろうね。話が止まらないんだ。ショウブ田に面した谷津の斜面に、カタクリの自生地があってね。

 例年ならサクラが咲く頃なんだけれど、昨日はまだ開花の様子はなかったそうなんだ。

 千葉市では、この公園と泉自然公園にも自生地があって、いずれも親父さんが公開に踏み切るまでは,”知る人ぞ知る”存在で管理していたそうなんだ。
 なまじ公開して、盗掘に遭うような事があっては大変。そんな意見が大勢だったそうでね。けれど草薮に紛れて密かに咲く状態では、他の草との競争に負けてジリ貧状態になりつつある事実もまたあったそうなんだ。それを食い止め、再生を計るには、年に数度、自生地に蔓延る下草を奇麗に刈り取って、日射しを導き入れる必要があるんだそうだよ。すると、厭でも今の時季、カタクリの存在が目立つことになるんだ。
 
2009_046  どうせ目立つのならば、思い切って市民に広く宣伝して見てもらいましょ。そうできた切っ掛けは、泉自然公園の場合は、”千葉の自然に親しむ会”。昭和の森では”自然観察指導員協議会”のメンバーが助っ人に馳せ参じてくれたからなんだって。
  この話題は、このブログを立ち上げた最初の頃でも、取り上げたそうだけれどね。

 以来十数年の月日が経って、カタクリは増えこそすれ減ってはいないんだ。今年も花が咲く時季には、それぞれの会員が現地でガイドサービスしてくれるんじゃないかな、だって。
2010_0194   * 2009年 撮影

  昭和の森公園のカタクリは、九死に一生を得た存在でね。やはり”知る人ぞ知る”存在だったそうだけれど、当時、隣接地域を大規模住宅地にする造成工事が、徐々に公園の境界にまで迫ってきたんだ。でもそれだけじゃなかったんだって。  

 住宅地に降り注ぐ雨水を貯留するダムを、公園の中に食い込むように築造する計画を、市当局が受け入れてしまったそうなんだ。その場所は、カタクリの自生地だったそうなんだ。他の部所にいた親父さん、それを聞いて歯ぎしりしたそうだよ。
 
 けれど幸いだったことは、知る人ぞ知るカタクリを、ジッと見守っていた市民グループがいたんだね。その人達が声をあげたんだ。「カタクリを守れ!」ってね。
 数年に渡る市や開発事業者との押し問答が続いたそうだよ。
 

 その葛藤が手詰まりになって居た頃、親父さんが昭和の森公園へ転任したんだ。市民グループと事業者は、その後の交渉の結果として、カタクリを谷津にある他の自生地脇へ移植する。移植と言っても、株を掘り起こすんじゃなくて、他の植物も生えているままの土のブロックとして移すことに決めて、そして実行されたんだそうだよ。
2009_050     *  2009年撮影

 昨日、その移植したカタクリの様子を見に行った親父さん、そんな裏話を思い出しながら、おそらく来月始めには沢山の市民が開花を楽しみに公園を訪れるだろうな。それにささやかながら寄与できたと、自己満足に耽っていたんだって。

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