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2012年6月24日 (日)

台杉仕立て

  アタシの散歩コースの一つなんだけれど、そのコースの折り返しの中程にお寺があるんだ。銚子にはお寺が多くてね。どれも由緒ある風合いの建物なんだけれど、住宅地に囲まれたこのお寺は、その周りの空き地を次々に墓地化しているんだ。それに合わせて、チョット異色なガーデニングをしているんだよ。
 お寺にガーデニングと言う表現が適当かどうか?。でも、他に表現が見つからなくてね。ポイントは”台杉”なんだって。
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 先日、偶々そのお寺の僧侶が樹木の手入れをしている場面に出合ったんだ。
で、親父さん。その境内の修景の意図について質問したんだよ。
 
 和歌山県の高野山は、仏教徒にとって聖地のような場所なんだそう。その高野山で強い印象を受けた杉の木立の風景を取り入れようとしているんだとか。
 でもね、国内でも名だたる深山に囲まれた高野山と、住宅地じゃあ違いが大き過ぎるよね。そこで日本庭園の枯れ山水の考え方。つまり、風景を抽象的に表すということなんだって。  * 北山杉 画像はweb より
 
Img_about  その手段として用いたのが、京都方面で知られた台杉仕立ての北山杉なんだって。
 親父さんがその昔、東京大学清澄演習林長を務められた、故渡邉資仲博士から聞いた話によると、北山杉は、磨き柱として知られている良質な木材なんだけれど、その増殖には独特な技法があるそうでね。
 苗を取木から作るんだって。今で言うクローン技術の走りかもしれない。幹から生える枝を切り取って、それから発根させて苗木にするんだけれど、多くの場合、枝葉は幹から斜めに生える。それを直立した樹形にするには、取木する以前に、直立した状態に仕立てておかなければ難しいと言うんだ。
 
 そこで、北山杉の根元近くから出る枝を直立状態に固定して、頃合いを見てその枝を取木すると言うんだ。それを何度か繰り返す過程で、幹を切り取られ、根元から出た直立した枝だけの”台杉仕立て”になるそうなんだ。
 アタシには一寸想像外なんだけれどね。

2285  このお寺は、その台杉の枝、一本一本を杉木立の杉に見立てているんだね。
親父さんが、この台杉の写真を撮っていたら、見知らぬオヤジさんが「珍しいか?」。それを皮切りに話込んでしまったよ。
 「でもな、台杉にしてしまうと、寿命が短いんよ」。そうだろうね。地際から出た数本の枝だけで、幹が切られた状態の北山杉だもの。本来の北山杉のような訳にはゆかないだろうね。
 でもこの親父さん、詳しいけれど誰なんだろう?。

 
 
 

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