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2014年4月26日 (土)

スカシユリ(2)

 暑いよね。親父さんも庭仕事で汗を流していたよ。
今朝一番に外出したんでね。戻って来たから何処へ行ったと聞いたら、利根川を越えて神栖市波崎の海岸へ言ったんだって。
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 アタシんちにいても海鳴りが耳に届くよ。
こちらに越して来る前は千葉市の幕張の浜でね、」その人工海浜に芽生える海浜植物の定点観察を続けていたそうなんだ。けれどこちらの海岸は人工の浜じゃないし、なにより海浜植物の顔触れと規模が比較にならないんだって。

 数年前、親父さんが勤務した茨城県内の国営公園には、公園内の海浜部に海浜植物群落見本園が設えてあるそうでね。その区域にスカシユリが残存している事は、何度か親父さんが話していたけれど、じり貧状態だったそうなんだ。
 それじゃ大変と、市民がボランティアでスカシユリの増殖に足掛け10年近く、取り組んでいたんだって。けれど成果ははかばかしくなかったそうでね。
 ムカゴから育苗した場合も、球根を分球したり移植したりしたものも、いずれも1、2年で姿を消してしまうそうなんだ。だから砂地に水を撒いている様な感じなんだってね。
Dsc_0010  途中から、その市民プロジェクトに関与した親父さん、一連の取り組みの問題点を洗い出す事にしたんだって。そこに横槍を刺したのが3・11なんだって。
 去年、この海岸の保安林内でスカシユリが残存していることに気づいてね。再び、しかし国営公園の活動とは離れた立場だけれど、取り組みを再開したんだって。そんな背景もあって、今は神栖市の海岸に定点観察の場を移したんだって。

 今朝はスカシユリを見付けた場所でね、自生している個体の周囲の砂を取り除いて、根の様子を確認したんだそうでね。意外と根は直根というそうだけれど、真っすぐ、しかも深く地中に伸びていて、二十センチ掘って手で探ってみても、球根にさえ触れることができなかったんだって。
 
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Img_9704_2  深く潜れば潜る程に、陽に照らされた地表部の高温化や乾燥から影響を受けにくくなる。つまり個体にとってサバイバル度が高くなるからなんだろうね。地中塩分も地表程じゃないしね。
 
 ようやく手に触れた球根を持ち上げてみたら、ムカゴを数倍膨らませたような形なんだって。スカシユリ株のオリジナルな生育状態を観た親父さん、そこからムカゴが砂上に落ちて、生き残ってゆく様子を、自分也のイメージを描いて観たんだって。

 以前、千葉市の泉自然公園に勤務した頃に、公園内に残存する希少植物のカタクリ群落について、その保護保育を担った経験があってね。カタクリと比較しながら、スカシユリ群落の生活型について、仮説を立てたそうでね。

Img_9705_3  次にやることは、その仮説の実証なんだって。いや、そんなに大袈裟な事じゃないよ。先ずは一昨年、去年と続けて庭の一隅に埋めたスカシユリのムカゴが、今後、どのように成長してゆくのかを見極めるだけのことだって。

 国営公園での活動で親父さんがボランティアさん達から聞いた処では、延べ一万鉢ちかい栽培株を生産して、公園内に植えたそうだけれど、結果は先に述べた通りだそうでね。

 親父さん、今年もムカゴを播いてみるつもりだって。ただし今度はボランティアさん達が試みた、同じポット栽培の方法もやってみるそうでね。しかし今日の海岸での観察から、より深いポットを使ってみるそうだよ。

 庭に播くムカゴは、地表から順次深く埋めるマルティプランティングという手法でね。深さに拠る生育の違いが出るだろうかね。親父さん、少なくともムカゴからの成長株が最初に花を咲かせる迄は、毎年同じ場所に重複してムカゴを播き続ける必要があると言うんだ。世代交代のサイクルを成立させる事が、親父さんの仮説のポイントなんだって。

 そんなことをしても、結論らしいことが語れるのは十年程先になるだろうから、この話は適当に聞き流しましょ。

 * 5月9日追記 採取したムカゴはスカシユリではなく、オニユリの可能性あり。


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