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2015年6月 2日 (火)

タブノキ

 アタシんちの前に太い幹の樹が立っているんだ。
親爺さん、その樹をタブノキと呼んでいるんだよ。数年前にもこのブログで紹介したけれどね、その時は、今にも枯れてしまうんじゃないかと思った程に無惨な姿だったよ。
   * 4年前
2012_293

 親爺さんが以前住んでいた千葉市でもね、住まいのあった団地の近くの農家の庭にね、これとそっくりなタブの樹があったそうでね。母さんと散歩時、その樹の傍へ寄って行っては、樹皮が剥がれている部分にね、目立たぬ程度に艶のないニスを塗って、防水と防腐処置をね、こっそり施したそうなんだ。

 アタシんちの前のタブノキもそうなんだけれど、いずれも農家の庭木なんだよ。今の当主の爺ちゃんと言うから三代前の世代が植えたんだね。だから樹齢も百年程度は経つているらしいんだ、そして近年、大きく成り過ぎたと枝葉に刃を入れられてね。切り縮められてしまったんだ。そんなタブノキが結構多いそうでね。
 神社でもなければ民家の庭木はね、大抵、そんな無慈悲な扱いを受け手半死半生の樹ばかりさ。
 先日もね、アタシが散歩で通り掛る農家がね、鬱蒼と茂ったタブノキを哀れみもなく無造作に、まるで電柱のように幹だけにしてしまったんだ。

 * 宅地造成の影響を受けて枯れが目立ち始めたご近所さんの屋敷林
Img_2259

 親爺さん、現役時代も未だ若い頃にね、千葉市でそんな樹を見掛けるとね、当主を説得して、市の保存樹指定する仕事を担当していたものだからね、未だに古くて大きな樹木を観るとね、その仕事を思い出すそうなんだ。
 保存樹指定したからと言って、それで安泰が約束された訳じゃあないけれど、それでもね、むやみに伐り倒すことにはブレーキが掛かる制度なんだとさ。

 そんな経験から、銚子へ越してきて以来、何度か老成して大きくなった樹、ここら辺りではタブノキやシイノキが多いけれどね、見掛けると、その所有者とその樹について言葉を交わすそうなんだ。
 機会があって、市当局と意見を交わした折りなどにその樹を話題にしてね、保存策などに言及するんだけれど、暖簾に腕押しなんだそうでね。

 理由はともかく、大きくなった樹は伐り倒されるか、伐り縮められる流れがあってね、それを変える力の無さに親爺さん、近頃は苗木を植えよう活動には醒めているんだとさ。

 * 現在
Img_2258

 処でアタシんちの前の件のタブノキはね、その所有者が若い頃には、ツリーハウスを設えて、子供達の遊び場にしたそうでね。その後、アタシ達が住む住宅地の造成工事で土盛りされて以来、枝葉が枯れ始めてしまったと言うんだ。そこで枯れた枝が折れる恐れがあると考えて、枯れ枝を伐ったそうなんだ。
 親爺さんは枯れの原因の一つが、土盛りによって根回りの土圧が増してね、水を含むんだスポンジを手で押したようにね、地下水が上昇して、根を溺れさせたんじゃないか。そう診ているそうなんだ。

 で、この話題の結びはね、そうは言いながらも樹勢に回復基調が診えてきたって親爺さん、喜んでいるという、単純なことなんだよ。 

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