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2016年10月 6日 (木)

ホテイアオイ

 台風一過、こんなに暑いのか。すでに秋だというのにね。
処で今日の話は夏の花だよ。ウォーターリリィーって呼ばれているそうだけれどね。
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 「増えすぎて、しょうがねえから川に流そうと思ってよ」。
今朝の散歩でね、顔見知りのオヤジさんと出合ったんだ。このオヤジさん、いつも出合うとアタシの前に跪いてね、両手で体の両脇を撫でてくれるんだよ。アタシもこのオヤジさんには好感を持っているんだ。だから出合うと必ず挨拶に寄って行くよよ。
 オヤジさん、街中で見掛ける時は、でっかいクレーントラクターを走らせてどこかに向かっているんだ。クレーンの運転手をしているんじゃないかって、親爺さんは言うけれどね。

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   * 画像 Wikipedia より

 今朝はオヤジさん、両手がふさがっていてね。何やら得体の知れない植物を抱えていたんだよ。「ホテイアオイですね。どうするんですか?」。そう親爺さんが話し掛けたよ。そしたらね、家の前の水鉢を振り返って、「すぐに一杯に増えちまって」。

 アタシがしょっちゅう散歩する桜並木に沿って、利根川に流れ込む排水路があるんだ。そこに流すと言うわけさ。そこに流せばそのまま利根川に流れ込んで、利根川の”てんでしのぎ”で知られた荒波を越え太平洋に。
 
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 ホテイアオイは園芸店でも水草として売られているから、格別珍しい植物じゃあないよね。熱帯性の植物で繁殖力が旺盛なんだとさ。沼や川など真水の水域でプカプカ浮かんでいるんだそうだけれど、帆掛船のように風に乗って漂流しながら、株分けするように増えて、けれど、増えた分が元株から分かれてバラバラになってね、流れの弱い入江などで離合集散を繰り返して行くそうなんだ。

 最近の動向は知らないけれど、数十年前、印旛沼で増えすぎたホテイアオイの駆除が話題になったことがあったそうでね。沼や池の水質汚濁問題でね、水中に溶け込んでいる窒素や燐を吸収するから、ホテイアオイを汚濁した水域で栽培して、適当な時期に回収すれば水質浄化に貢献する。そんな説が語られていたそうだよ。実験も試みられた筈だとさ。

 親爺さんにとってホテイアオイの思い出は、やはり昔のこと、東京湾アクアライン辺りで帆掛船を帆走らせていた折、転々と植物が漂流していたそうでね。近寄って観察したらホテイアオイだったとさ。で、どこから流れ出したのかと、好奇心を刺激されて、当時お付き合いのあった生物学会の先生達と、流出元を探ることになってね。潮流するホテイアオイの列を遡ったら、花見川河口からでね。その先をボートを漕いでね。結局、印旛沼が流出元だったとさ。
 真水域から汽水域、海水域へと流れでたホテイアオイがどうなったか、親爺さんは確かめてはいないそうでね。話はそれで止まってしまったんだ。

 今朝、オヤジさんが流したホテイアオイは銚子沖に流れ出て、どうなるのかしらね。
 

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