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2018年11月20日 (火)

命運(2)

 居れば煩いけれど、居なければその場所が虚しい。家族というのはそんなもんだとは、親爺さんのセリフだよ。昨夜は皆が寝室に引き篭もって、アタシ独り取り残された気分にね、無性に寂しくて、親爺さんの寝室ドアをガリガリとね。「ねえ、ねえ」って声をかけ続けたら、「根負けした」とか言いながら毛布を抱えて出てきたよ。で、いつもの通り椅子に座ってそのまま一夜をアタシと寝たよ。けれどね、そんな格好では昨夜は寒かった筈だよ。親爺さん、4時過ぎには目を覚まして、その後はパソコン膝に夜明けを迎えたんだ。空は曇っていたから、せっかくだけれど朝陽には会えず仕舞いさ。

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*  その病院は、畑の中にポツンと建っているようなロケーションでね、遠くに刑部岬が見えるとさ。

 そんな処に病院から電話。若い女医さんからでね、明け方、病状が昨日の昼間に比べてやや悪くなっています。「皆でいろいろ相談したけれど、リスクがあっても本命の薬での治療を必要とする病状です。いいですか?」ってね。
 どの道、失う物はないんだ。「やってください」。親爺さん、そう答えていたよ。

  そんな事はあっても、家族は出来る限り普段の生活ペースを崩さない事を第一にね。それぞれ職場へ出勤したり、親爺さんは孫の世話と保育園に送り届けていたよ。それならアタシもと、親爺さんが保育園から戻った時を逃さず散歩へ引っ張り出してね。今日も普段のコースだったけれど、草むらで大きな魚が干物になっているのを見つけたんだ。見逃すもんか、戴きますさ。
 何しろアタシと同じくらいの長さだからね、30分齧ってもまだまださ。齧るのに夢中で親爺さんなど眼中になかったんだ。しかし、いきなり首のロープを強く引っ張られて、ズルズル獲物から引き離されてしまったよ。猛烈に抵抗したんだけれど力負け。その後は親爺さんに引き立てられて帰宅したんだ。戻った時はもう昼になっていたよ。

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 親爺さん、その後は入院書類に署名したり忙しげに動いていたけれど、それらを抱えて出かけてしまったよ。戻った頃には外は暗くなっていたんだ。親爺さんに聞いたら、市役所へ行き、医療費が高額になった場合、支払い額が一定の範囲内で済むような書類の発行を求めたり、入院時に必要な品物を買い集めたりと。いろいろすべき事を処理して、そして病院へ向かったそうなんだ。
 入院の手続きを済ませ、病室を訪ねた処で看護師に呼び止められて、更に買い物リストを渡されて、今度は病院の売店で買い物。それらを抱えて病室に戻った処で母さん、まな板の鯉になっていたとさ。最初から素直にまな板に乗っていれば、こんな事にはならずに済んだのに、怪しげなテレビからの薬害知識に取り憑かれてね。その時本人は大イビキ。
 親爺さん、孫のお迎え時間が迫っている事を意識して、買い物品を置いて病院を後にしたとさ。その時まで、今日も何も胃に入れていない事に気付いてね、パンを買って齧りながら車を走らせたそうだよ。

 夜、ケンにゃん達と食事を共にしながら、ガラパゴス携帯の歩数計を見たら、2万歩を超えていたとさ。普段は5、6千歩程度の歩行なんだけれどね。明日は今日ほどの事にはならずに済ませたいよね。 

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