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2019年6月 5日 (水)

斜視

 散歩で通る道すがら、犬の体毛が落ちていたら、多分それはアタシんだ。「この犬、歳はいくつだい?もう10歳は超えてんじゃないの?」。アタシと行き会う度に、歳を話題に親爺さんに話しかける近所のオヤジ達。まったく失礼しちゃうよ。先週から換毛期でね、バサバサと束で抜けるものだから、今はボロ毛布を纏っているような姿なんだ。だから硬い地面にコロコロ身体をこすりつけているんだよ。立ちあがった時は、体毛が風に舞ってゆくよ。

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 処で今日は親爺さん、マユちゃん母子のサポート役で千葉市にある子供病院へ行ったんだとさ。孫のコーチャンがね、若干斜視気味なものだから、それがどの程度のものなのか、検査を受けるためなんだとさ。地元の眼科でも可能な検査だけれど、なにしろコーチャン本人が、医師の指示に反応しないものだから、検査が成立しないんだ。だから子供を扱い慣れている子供病院へと。一度は今年初め、子供病院で検査を受けようとしてね、けれど彼の抵抗でついには睡眠薬を盛られてしまったんだ。けれど検査途中で目を覚ましてしまってね。そういうことで再度という事情なんだ。

 今回も睡眠薬を・・・と予想していたのだそうだよ。けれど意外なことに、コーチャンは医師の指示に的確に対応して、あっさり一時間足らずで終了さ。わずか数ヶ月しか経っていないけれど、彼は成長したんだね。結果は大したことではないそうで、何よりさ。

 斜視な人は普通にいるとさ。ただ、仕事によっては支障が出る場合もあるよ。例えば実体顕微鏡や双眼鏡が使えないよ。両眼の視力が等しいことで使える器具だからね。実は親爺さんも子供の頃、そうだったんだとさ。子供時代の記念写真を見ると、皆が正面を向いて写っているのに、親爺さんただ独り、顔が左斜め仰角を向いているんだ。本人は正面を見ているんだけれどね。心配した両親が親戚の医師に見せたとさ。「大人になる頃には普通になるよ」って。確かに最近の写真では、皆と同じく正面を向いて写っているけれど、撮影時にはカメラマンから、「ちょっと右に少し」。そう修正が入るそうでね。それに双眼鏡で凝視すると数分で目まいがするとさ。左目より右目に視覚が集中して、左は怠けてしまうんだとさ。

 つまり斜視の場合、遠近感に影響が出るそうなんだ。生き物には目が二つあるよ。顔上で少し離れた位置にある二つの目で見た景色や物体は視差が影響して、それぞれを重ねたとすると微妙に異なって見える筈。脳は、それを遠近感、つまり奥行きとして捉えるんだね。

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 かなり昔、週刊誌でヘアヌードのグラビア華やかな時代のこと、その企画で付録のグラビアを両眼で凝視すると、立体的に見える。それを親爺さん、スケベ心もあって凝視したんだとさ。最初は何の変化もなかったとさ。けれど念力を発するような集中力で凝視する内に、写真の裸体に凹凸を感じるようになってね。折り込みグラビアは一枚の平面写真だから、それに奥行きがある筈もないけれど、多分、印刷に工夫があったんだろうね。一見わからない程度に二枚の画像が刷り込まれていたんだろうね。これは与太話だけれど、つまり両眼がバランスよく機能しているのが本来。一方、斜視では、そのバランスが取れていなんだね。

 「生まれながらの斜視は治りませんね」と、今日の医師は言ったよ。成長したらマシにはなるよと親爺さん、コーチャンに囁いたとさ。

   

 

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