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2019年6月20日 (木)

心穏やか

 今朝は100m先も見通せない程の霧が立ち込めていたんだ。海に手を突き出したような地形の銚子だから、年間を通して霧が発生する頻度は、最後まで灯台の霧笛が残った北海道の根室だったか釧路だったか、に次いで、二番目に多いんだとか。銚子測候所に聞いた話だけれどね。霧の所為か、散歩から戻ったアタシの体毛がしっとり湿っていたよ。そう言えば先週以来の換毛期に入ったアタシだけれど、散歩の道すがら、親爺さんに毛を毟り取られてすっかり身軽になってね、後は首まわりとお尻に古毛が残る程度さ。それは親爺さんの手は借りない。そう宣言しているんだけれど、何かに気をとられている隙を狙って親爺さん、手を伸ばしてくるんだ。煩いよ、まったく。

 ”トッキョトキャキョク、特許と許可局”。いろいろな言葉に聞こえる鳴き声が霧の中から聞こえてきたよ。親爺さん、コジュケイという野鳥の鳴き声じゃないかと?。ウグイスの鳴き声程には自信がなさそうさ。

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 霧が晴れて芝生広場が姿を表したら、広場の中央に変なコンクリートの筒が立ててあったよ。高さは3m程にもなるよ。親爺さんに聞いたらね、下水管渠のマンホールだとさ。マンホールって、道路の路面に蓋だけ見える、あれだろ。いくら何でもあれじゃ煙突じゃないか。

 「そうかい」って親爺さん、そのマンホールなるものの両側に積まれた土手を指差して、「あの土手の頂上がこれから作られる道路の高さなんだ」ってさ。そう言われればなるほど。けっこう高い土手ができるものだね。3・11の地震による津波の遡上を経験に、それを川の中だけに収めるための道路、兼用の堤防になるんだね。それに先立って下水管渠を敷設すると、ああなるんだ。

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 さて、今日はマユちゃん、まだ陣痛が起こらない。だから親爺さん、母さんの入所する老健施設へ出かけたよ。「札に嬉しいことを書いてくれましたよ」って介護士さん。何の事?。

 母さん、七夕の短冊にメッセージを書いたらしいんだ。”心穏やかに毎日が過ごせています”。

 ちょっと行儀が良すぎる文面だよね。親爺さんもそう感じたそうだけれど、ホールのテーブルを前に、数人の婆ちゃん達と一緒な母さん、親爺さんに向かって「アタシは大丈夫、ご飯は美味しいし、リハビリもしてくれているし・・・」。顔つきが穏やかだから、あながち壁の耳を意識しての美辞麗句でもなさそうだとさ。確かに顔色も口調もしっかりしてきたとさ。母さんがそうなら、家族も苦労の仕甲斐があるよ。

 先日手渡したショッキングピンクの口紅。あれを使っている様子だとさ。何か必要なものは?。「女性週刊誌が読みたい」。入院前、寝床の枕元に山と積まれた週刊誌、母さんの留守を幸いに、親爺さんがゴミの焼却場へ二度、運び込んでいたよ。あんなスキャンダラスな話題ばかりなもの読めば、心おだやかではいられないぞ。でも結局親爺さん、コンビニへ一走り。レジのオバさん、親爺さんの顔をしっかり見ていたとさ。

 

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