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2019年8月17日 (土)

ある動画(2)

 「危険な程の暑さ」。ケンニャンが言うまでもなくアタシはそれを実感しているよ。駅前の花屋のコーギー犬ラッシーは、切り花を入れてある店の冷蔵庫に収まって、この暑さを凌いでいるというし、散歩オヂサンのプードルは冷房付きの部屋で寝ているそうでね。アタシはそういう環境にいないから、せめて全開にした玄関先で門番しながら転々としているんだ。

 親爺さんも似たようなものだけれど、冷房の効いたコーチャンの部屋で孫育中はね、一時の避暑はできてる様子だよ。処で昨日話題にした自閉症の8歳の男の子。その話題をもう少しするよ。

 発達障害の1症例に自閉症スペクトラムというのがあって、アタシんちのコーチャンもそう診断されているんだ。けれど実態は一人一人共通する症状もあるけれど、異なる症状もあるそうなんだ。男の子は”カレーライスおかわり”。そう意思表示することが困難で、動画ではどうにか一言言えた。それが観る人を感動させたけれど、今後普通に言えるようになる保証はないんだ。これっきりかもしれないとさ。

 コーチャンもそれは同様でね。彼の一言一言に家族は一喜一憂する毎日だよ。処で動画の男の子はカレーライスを食べられるんだ。今日は”食べる”ことにふれるよ。

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 コーチャンは、2歳あたりまでは普通に成長し、カレーライスも食べたんだ。その歳なりの食の好みも示したよ。けれどある日から、カレーライスを口にしなくなってね。それまで好んで食べてたいた食物を口に入れなくなったんだ。家族は最初、極端な偏食と観て、いろいろ手を尽くしたんだけれど、当初はウドンが好きでよく麺を啜っていたよ。それが一夜にして拒否。ここ最近はラーメン。それも細麺しか口にせず、先月からはそれも拒否。ご飯は鮭フレークをかけて、それのみ。最近はふりかけのみ。それも今月に入って拒否。パンにジャムのみの食事なんだ。ながらくリンゴが彼の食卓の必需品だったけれど、イチゴのシーズンはイチゴに変わって、イチゴがなくなって以降、リンゴの復帰を試みたけれどリンゴの旬が過ぎて味が変わったんだね。拒否さ。野菜に代わるものが見つからないよ。

 普通に観ればひどい偏食だよ。けれど不思議にも、健康診断では成長に問題はないとさ。確かにそう観えるよ。

 お盆休み中、ビスケットと麦茶程度しか口に入れていないんだ。当然空腹なんだろうね。今まで食べていた振りかけご飯を目の前にして、スプーンで掬って自分で口に持って行くのだけれど、一口口に入れて即、はきだしたよ。「どうしてこの子は食べないんだろうか」。観ていて怒りを感じる日々なんだけれど、ものの本や専門家はね、食べないんじゃなくて食べられないんだ。そうだとさ。

 最近ようやく家族も理解し始めたんだけれど、彼の持つ触覚が普通人と違うんだね。しかも変化するらしいんだ。熱い、冷たいが痛いと感じたり、僅かな塩気が強烈に濃い塩気に。聴覚は、犬のように鋭い。人は体験を通して受け入れる刺激への許容の幅を増やしてゆく。それを成長と言うなら、逆に幅が一点集中する状態にとどまっていることが発達障害。そう言われることも理解できるよ。

 とはいえお腹を減らせていることに変わりはないよ。昨夜もね、空腹で不機嫌なんだろうね。そんなコーチャン相手に父親のケンニャン、いろいろ試みて、唯一食べさせられたのがクリームコロッケ。それでも足りない様子に振りかけをかけたご飯。それを吐き出されて万策尽きた様子さ。けれどその後、偶然、ご飯に振りかけをかけ過ぎたんだ。ドバッてね。それを見たコーチャン、再びスプーンでほとんど振りかけだけに近いご飯を口にしたよ。

 それを見て親爺さん、営業終了間近なスーパーへ振りかけ買いに走ったよ。そんな彼の要求に合致した時をストライクゾーン。そう表現しているよ。だから自閉症児に多くの健常児と同じことをさせるのではなく、本人のストライクゾーンを探る日々なんだよ。もし、ストライクゾーンの一つが並以上に秀でた才能に繋がれば。まるで宝くじに期待するような想いだけれど、笑わないでね。

 

 

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