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2021年6月10日 (木)

スカシユリ

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  毎年、今頃になると親爺さんが話題にするのだけれど、今はすっかり稀少な海浜植物になってしまったスカシユリ。3・11の直後に海岸の松林から球根を一球、我が家の庭に移植して、サンプルとして観察を続けていたんだよ。それに合わせて9月頃、スカシユリの群落で花弁が散った後、熟した種胞から種を採集してね、庭に撒いていたんだ。毎年、播種を重ねているから既に数千粒を超えているだろうね。

  今朝、サンプルとして観察対象にしているスカシユリが一株、朱色の花を開いたんだ。一方で、庭に撒き続けていた種子はどうなったかと言えば、5月頃、一枚葉種を撒いた辺りのあちこちに顔を出してね。その年によって発芽数に違いはあるけれど、50本は超えない一枚葉と、数株の複数葉を数えていたんだ。

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 とは言え、それが何年前に撒いた種なのかは分からない。とにかく庭全体でも数芽しか見つけられないから、発芽して株に成長する率は数千分の一だろうね。で、その芽も夏を過ぎる頃には姿を消してしまうんだ。まあその繰り返しで徐々に個体数を増やしているんだろうね。

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 で今日、親爺さんが撒いた種が成長して株になったと自信を持って言える、そんな若い個体に蕾がついていたんだ。たった一株、それも高さが10cmを超えないけれどね。海岸の自生地で見かける成長株は、1mを超えているよ。親爺さん、庭や海岸にスカシユリのタネを撒いて、自生地の復元プロジェクトと称して始めたこの試み、10年を通算して一輪の花を育てることが出来たんだ。この株が何年生なのかは定かではないよ。けれど人工的な環境下で生育したことは間違いないさ。

 3.11の頃、親爺さんが勤務した国営公園でボランティア市民が、園内に自生するスカシユリの保全と増殖活動に取り組んでいてね。当時5、6年間活動していたにも関わらず、増殖に成功していなかったんだ。でも親爺さん、これは時間との勝負。気長にに辛抱づよく取り組む活動だと、自身の経験から知ったよ。自生するスカシユリが稀少である所以だね。

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