育児

2021年7月 3日 (土)

食生活

 銚子市のコロナの状況なんだけれど、市内では昨日で陽性反応者が延119名に達したそうでね。とは言え先週初め、コーチャンの小学校のコロナ閉鎖が解除され、それに合わせてアキちゃんの保育園も受け入れが再開されたんだ。けれど市の発表で知る限り、感染のペースは上昇基調だね。周辺の市町村も似たような状況らしいよ。親爺さん、週明けには2度目のワクチン接種を受けるとかでね。後は学校勤務のケンニャン、マユちゃん達家族の接種が何時になれば可能なのか、気がかりだよ。

 毎日毎日雨が続いてアタシは散歩も満足に行けないよ。しょうがないと言えばそれまでなんだけれどね。 昨日から雨脚がことさら強くて、オシッコしたくとも外へ出られないんだ。いや、親爺さんが玄関ドアを終日半開き状態にしてくれているんで、外へ出ようと思えば独りで出られるんだけれど、何しろシャワーのような雨だから、体毛も一旦濡れたら簡単には乾かないしね。脱毛期で湿った床にアタシの抜け落ちた体毛が張り付いて・・。我慢にも限界があるから・・早く雨が止んでくれないかな。

 こんなお天気の中、親爺さんは毎日雨が小康状態になった頃を見計らって、買い物に出ているよ。買い物先を一巡すればほぼ30km程度。2時間余りで戻ってはくるんだけれど、買い物品は家族の日々の食材が主なんだ。殆どの品は近所のスーパーの棚にも普通に並んでいる品々だから、30kmも車を走らせ調達する必要もないのだけれど、そこには我が家固有の拘りの事情があってね。

 親爺さん、以前、パンや卵、キャベツなどをそれぞれ異なった場所にある、特定の店を選んで買っているという話をしたけれど、それは拘りという程の事ではないんだ。単なる好みに過ぎないから、近所の店で済むことでね。けれどそうはゆかない物もあってね。小学校一年生にまで成長した自閉症児のコーチャン。極端な偏食。というよりその食材以外を口にしないんだ。唯一無二の食材で生きる生活さ。

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 朝食はバタークッキーにコロッケとワカメの味噌汁。それも特定のお店の特定の調理品のみ。昼食の学校給食は牛乳以外手を付けず。オヤツはミスドのチョコレートドーナツ。夕食は茹でた素ラーメン。先週まで口にしていた食物も、気分次第で今は顔を背けてしまうんだ。一見”菓子ばかり食べて”というこの年代の幼児にありがちな我がままに見えるだろうけれどね。 こんな食生活でまともに生きて行けるのかと家族は心配しきりさ。けれど不思議に健康に問題はなさそうでね。栄養に偏りが原因となる成長の障害も、今のところは見当たらず。むしろ活発に動きまわっているから不思議さ。勿論、もっとも心配な脳の発達遅れを除いての話さ。体つきについての自閉症スペクトラム障害児と聞いて世間で想像されるような、ひ弱で不健康なイメージは、コーチャンにはあてはまらないよ。こんな偏食は、自閉症児に共通する事象のようだよね。一般人でも口に入れる食物に対して、匂いや舌先の触覚など感覚的な理由で食べないという物は、少なからず誰にでもある普通の事なんだけれど、それでも食べられる食品の品種が桁違いなんだ。だから家族は、今毎日本人が口にする食べ物を、ある日突然拒否したら、その後何を食べさせれば食べてくれるのやら、毎日戦々恐々としているよ。

 で、そのトバッチリということだけれど、雨が降ろうが、嵐になろうが、コーチャンがその時口にしてくれるならと、親爺さんは車を走らせ買い物に出ているんだよ。おかげで、そんな理由で立ち寄る店では、「今日もいつもの品ですね」ってね。親爺さん、孫に甘い心配性なんだ。

 

 

2021年3月28日 (日)

卒業

 来月には小学生になるコーチャン、5年間過ごした保育園と銚子市の発達支援センター。そして同様に毎週千葉市へ通って受講した発達支援プログラム。みんな先週で卒業なんだとさ。

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 彼の発達の度合いが、同じクラスの幼児に比べて遅れていることを指摘されたのは、まもなく3歳になろうとする頃だったよ。皆と同じように駆けたり踊ったり、歌うこともできなくて、ただ皆の側で立ち尽くすだけでね。だから彼の為に保育士さん一人が常に付ききりになってね。

 卒園式では、別れを惜しんで泣いていた幼児もいるけれど、コーチャンはニコニコしてね。多分、別れの意味を理解してはいないんだろうね。けれど、クラスメートがコーチャンに抱きつき、話しかけているうちに、彼も何かを感じた様子でね。皆に抱き返えし、保育士には彼なりの愛情表現を見せたんだ。

 この数年間で、彼は見違える程の成長を遂げてね。それは彼が行く先々で、人々が彼に声をかけてくれたんだ。例えば市内の公園では、同じ保育園で顔見知りの子供達や父兄に出会うとね。一方、彼と同様に発達障害を患っている幼児が集う施設では、そういった保育園の子供達同士のようなコミュニケーションはなくてね。施設のスタッフさんとのコミュニケーションが中心なんだね。考えれば自閉症同士、互いに積極的なコミュニケーションを築くことは無理なのかもしれないね。

 発達障害が判明した当時、保育園から支援施設へ完全移行するべきか、家族も含め議論はあったんだ。専門家はね、支援施設に完全移行を勧めていたよ。けれど普通のようなコミュニケーションはできなくとも、健常児との交流の機会は必要。そう家族は主張してね。それは保育園にも支援施設にも、両方に格段の配慮と負担を強いることになるよ。特に保育園では過去に扱った例のないそうでね 。けれどありがたいことに、双方のスタッフさんはその重荷を背負ってくださってね。保育園の仲間も父兄も、彼を分け隔てることなく、彼に惜しげもない応援をくださったんだ。本当にありがたいことだよ。

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* シラスウナギ漁の漁期もまもなく終わるよ。

 コーチャン、来月から近所の小学校に通うことになっているよ。そのため、彼一人の受け入れに教育委員会や学校当局と何度も協議を重ねて、特別支援学校ではなく普通学校への通学を受け入れてくれたんだ。もちろん、同じ学年児と同様な能力はないだろうから、余りに差が開くようなら特別支援学校へ再編入の可能性も残っているよ。けれど当面は普通学校で、彼の専任教師が決められていてね。親爺さんが手を引いて連れて行くとさ。

 今朝は桜並木が満開でね。午後から激しい風と雨に見舞われている中を、コーチャンが卒園した保育園を運営する教会の牧師がね、家を訪ねてきたよ。親爺さんにね、「今日から教会の礼拝を通常スタイルに戻します。加えて教会学校も再開するので、コーチャンを連れて・・・」。

 保育園との縁が切れたから・・・とは親爺さん、思ってはいないそうでね。来週はイースターだし、教会の礼拝には参加するつもりだとさ。コーチャンを誘ってみるそうでね。

 

2020年6月25日 (木)

満一歳

 地震は突然来るから、いつだって驚かされるものだけれど、それにしても今朝の地震は寝込みを襲われた羊の群れよろしく、家族皆、仰天狼狽したよ。親爺さんはそろそろ日の出時刻だからと、覚醒し始めていたそうでね。それでも夢の中、自動車を走らせていて、いきなり追突された衝撃に飛び起きたとさ。で、気がついたら地震だったと。アタシはね、微動だにしなかったよ。”怖くて動けなかった”。

 夕方、いっ時雨が止んで散歩に出たんだけれど、行き会った顔見知りが交わした言葉は今朝の地震の話さ。その話から、幸い被害らしい出来事はなかった模様だよ。驚きはしたそうだけれどね。

 そんな1日の始まりを経て、今日はアキちゃんの一歳の誕生日でね。偶然だけれど一歳検診を受ける日でもあったんだとさ。母親のマユちゃん、息子を連れて検診を受けるため出かけたよ。

 親爺さんはコーチャンを発達支援センターに送り届けた後は、お昼頃まで居眠りさ。昨夜、コーチャンが寝付かなくて親爺さんが眠れたのは午前一時近く。それであの地震だったからね。そんな訳で寝不足さ。親爺さんが言うに、「歳はとりたくないとさ。76歳も後半、さすがに寝不足は気力にも影響してね。気力を奮い起さなければ、買い物にも行けないそうでね。今日の昼間はそんな状態で買い物に出て行ったよ。戻って言うに、「マスクを付けるのを忘れたまま買い物」に出歩いてしまってね、ガラスに映った自分の姿で気づく有様だったとさ。

 親爺さん、孫の成長に喜び感謝しているけれど、反面、孫達が前に進む背中姿を見ながら、自分は過去へ後ずさりするような気分を感じてね。それが老いという感触かもしれないと。

 満一歳児の祝いのケーキを食べながら、母親のマユちゃんが検診の結果をケンニャンや親爺さんに話していたのがアタシの耳に届いたよ。平均に照らして体格はやや小さいそうだよ。しかし、それ以外の発達に問題はなく順調だとさ。未だ立って歩けない同年齢児もいる中で、家中をスタスタ歩きまわっているからね。もっとも今日の検診会場では、なぜか全く歩こうとはしなかったとさ。

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 我が家にはコーチャンのトラウマが密かに存在するんだ。コーチャンの場合は体格こと平均以上だったけれど、周囲からの呼びかけに対する応答に、今にして思えば曖昧な面があってね。その時は未だ、単に遅いだけと思っていたから、よもや発達障害という先天性の障害を抱えているとは予想もしていなかったんだ。それが判明したのは3歳検診だけれど、その経験で弟を見る目がね。弟にそのような障害がおこりませんようにと、祈る想いがあるんだとさ。

 ともあれ無事に一歳の誕生日を迎えられて感謝だよ。

 

2020年6月 2日 (火)

影響力

 今朝は起床が遅れた所為で先の時間が詰まってしまった。だから散歩は夕方、涼しくなってから出かけたよ。もう辺りは薄暗くなってしまったけれど、快適に歩けたんだ。親爺さんは昨日までの庭仕事を一休み。というより手首が疲れてしまったね。1日ウツラウツラしている始末さ。

 そんな親爺さん、昼間のひと時、母親が出かけている間に2人の幼児を相手にしていたよ。今日はその時の話だよ。あえて子供部屋と言えばそうなんだけれど、家で唯一のテレビと机が置かれていて、後はコーチャンのオモチャが散らかっている、そんな部屋だよ。親爺さんが2人を同時に相手する時、その部屋に篭るんだ。なぜなら2人ともに目を離せないからね。それにテレビでインターネットの動画、子供番組だけれど、それを見せておけば1人はおとなしく。だからもう一人を相手にしていれば何とか無難に留守を守れているんだ。

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 というのは先月までの話さ。最近は五歳児のコーチャンの求めに応じて動画を観せる。その際の一連の動きを間も無く一歳になるアキちゃんが覚えてしまったんだ。リモコンでテレビが点き、チャンネルを変えられるという事をね、なぜそれが分かるかと言えば、兄貴のコーチャンが保育園へ行っている間、アキちゃんが我が世の春を謳歌しているんだよ。これでこの部屋にあるものは自分の好きにできるとばかりにね。

 そんな時、アキちゃんは部屋の机にリモコンが置かれていることを知っていて、背伸びしてそれを手に取ろうとするんだ。なんとか手に入れると、リモコンを親爺さんに手渡して、視線をテレビの画面に向けるんだとさ。テレビが映り始めると、お気にりの幼児向け番組で、2人のお姉さんが歌を歌うシーンが映し出されるまで、画面に向かって仁王立ちさ。そしてお気に入りのパフォーマンスでは、体を揺すって凝視する始末でね。

 親爺さん、息子のケンニャンを育てた育児の記憶では、彼がテレビに関心を向けたのは3歳近く。母親が観せようとチャンネルを選んだ筈さ。一歳児がその段階で、今親爺さんが目にしているような振る舞いをするのが普通なのか、親爺さんには分からないとさ。

 で、兄貴のコーチャンが動画、彼の場合は電車の走行シーンを編集した動画なんだけれど、多分五歳児としては幼い反応だろうね。ケンニャンが五歳児の頃は、当時流行っていた”ドリフターズ”のコントを観て、次に展開されるシーンを予期して歓声をあげていたとさ。その反応は、他の五歳児も同様だったから、それを思えばコーチャンの反応は発達障害児故の幼さだね。

 コーチャンが好む動画を映し出すやいなや、アキちゃんはリモコンを探すんだ。そして見つけると、親爺さんに手渡して、つまりはチャンネルを自分好みの動画に変えろとね。それが叶わないとなると、リモコンに八つ当たりするんだ。

 その是非はともかく、一歳児が既にテレビとリモコンの動作が関連する存在であることを知ってしまった。兄弟で弟の発育は長男より早いとは聞くけれど、これほどとは?。というのが親爺さんの驚きだとさ。

 そんな2人の葛藤のなかで、発達障害児が苦手とする他者とのコミュニケーションや、弟に対する兄らしさがどのように表現されるか、親爺さん、慎重に見守るとさ。

2020年3月20日 (金)

リユース

 「25年も経ったんだ」と親爺さん。インターネットでニュースを探っていた親爺さんがポツリと呟いたんだ。地下鉄サリン事件のことだとさ。当時、同じ路線を使ってケンニャンが高等学校に通学していたから、その事件を聞いてゾッとしたとさ。だから被害に遭った人たちを、人ごととは思えないんだとさ。

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 昨夜、結構強い雨が降ったんだね。尾籠な話だけれどアタシが道路に垂らした血便を、昨夜の雨が綺麗に洗い流してくれたよ。その後下痢便も出してはいないよ、食欲も徐々に戻りつつあって、親爺さんが出してくれた量では物足りなく感じてね。お代わりを要求しているよ。未だ散歩には出ていないけれど、明日明後日くらいにはね。

 「ココの顔に笑顔が戻ったよ」と親爺さん。家族からも声が掛かって、アタシは穏やかな気持ちで1日過ごしたよ。

 処で今日は来客が続いてね。アタシは邪魔しないよう隅で寝ていたんだ。客の一人はマユちゃんの友人だそうでね。近々出産予定なんだとか。だから今は誕生する赤ん坊のための用品を準備中なんだとか。そこでマユちゃん、家で不用品扱いになっているベビーベッドの提供を申し出たそうでね。購入する時は結構な値段だったそうでね。ところが殆ど使われることもなく。最初にコーチャンを寝せる積もりだったそのベッド。けれどマユちゃん、添い寝が良いとベッドに寝せなかったんだ。そうこうする内に本人が独り寝するようになって、別の部屋で眠るようになったんだ。5歳になった今は、何故か親爺さんの寝室で寝ているよ。

 それなら次の子のためにと、取って置いたんだよ。で、アキちゃんが生まれたのだけれど、やはりマユちゃん、独寝は可哀想だ。授乳のためにもと、またまた添い寝でベッドの出番はなかったんだよ。たまに親爺さんが面倒見でベビーベッドに横たえて置いても、母親が戻ればベッドから出してそのまま我腕の中。そして布団に移す。

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 結局、我が家の育児でベビーベッドは不用品になってしまったんだ。マユちゃんの友人は申し出に感謝、ただし他の人からも提供の申し出があって、ともかく実物の下見に訪れたそうなんだ。下見もなにも、使っていないんだからね。我が家でもひと様から使わないオモチャをいただいたり、衣類をいただいたりと、その気になれば必要品の大半をいただき物ですませることができそうだよね。

 先日、古着屋に衣類を持ち込んだそうなんだ。そしたら子供服は引き取らないけれど、赤ん坊の衣類は少々のシミがあっても買い取られたそうなんだ。まあ1着5円とか10円のレベルではあるけれどね。そんな赤ん坊の古着、何するんだろうね。

 子供服はシャンとした品であっても、「何も古着なんて着せなくても。爺婆ちゃんが新品を買ってあげるよ」。そんな声が聞こえるよ。現にコーチャンの服、親爺さんが買ったことは一度もないけれど、もう一方の爺ちゃん婆ちゃん側からのプレゼントが続いているとさ。リユースによる省資源化を阻害するのは、孫可愛さに走る爺婆世代かもしれないね。

 

2020年2月17日 (月)

乳歯

 「何回か通っていただかないと・・・・」。去年の春頃、保育園での歯科診断を受けた当時4歳のコーチャン。今月末で5歳になるけれど、その診断で「虫歯になりかけの歯が数本あります」。それを聞いた母親のマユちゃん、その診断を下した歯科医師に即処置を依頼してね。なにしろ子供を扱い慣れていると評価も高い歯科医だから、ようやく今日、予約の日がきたんだ。

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 「どうなるか、気が重くて・・」とマユちゃん。つまり温順しく診察させないだろうとね。きっと診察台で大暴れ。なにかを壊すぐらいの力だから。で、必要な時に押さえつける役目と、診察中は弟のアキちゃんの面倒を見る。そういう役目で親爺さんが引き出され、歯科医院まで同行したそうだよ。

 「診察室には入らないよ。見ていられないから車で待っているつもりさ」と親爺さん、アタシに言い残して出かけたんだ。お昼を少しすぎた頃、おそらくはコーチャン、彼なりに緊張して疲れてしまったんだろうね。車の座席で寝込んだ姿で帰宅したよ。局部麻酔が効いている所為もあったかもしれない。

 「去年、虫歯になりかけという話が今日の診断では『こりゃ酷い。どうしましょ』っていわれてしまった』とさ。精々10ヶ月もしないのに、そんなに虫歯が進行するんだろうか。毎日歯を磨かせていた筈だしね。

 歯科医院の駐車場で月齢8ヶ月のアキちゃんを抱いていた親爺さん、コーチャンの泣き叫ぶ声を聞かないようにしていたんだけれど、アキちゃんが兄貴の声に反応して心配気でね。しょうがないから意を決して診察室の前に行ったんだとさ。そう、多少親爺さんの想像力が過剰だったようでね。診察室の中からは、医師とマユちゃんの笑い声が。コーチャンもそれほど絶叫調でもなくてね。

 それでも治療を終えて出てきたコーチャン、放心状態だったとさ。「全身をネットで包むようにして身動きできなくしていましたよ」と、マユちゃん。けれど口をどうして開けさせていたんだろうか。「褒め殺していたよ」と、親爺さん。待合室で会話が聞こえていたんだね。

 結局、虫歯は予想以上に進行して、神経にも影響する段階だったそうでね。今日はともかく最もマシな一本を処置したそうでね。「まあ、大人の治療でも一度の受診じゃ終わらないからね。しばらく通うんだね」と親爺さん。「私がコーチャンと同じ頃、やはり虫歯になって、たまたま大家さんちの次男が歯科医でね。実家に帰省した折に親爺さんの歯を診てくれたんだとさ。で、一言。「抜いちまおう」。

 庭に出した椅子に座らされ、「床屋さんと同じだよ」ってね。「同じなものか。その時一気に4本も歯を抜かれちまったんだ」とさ。大家さんちの息子さん、翌日には家に帰ってしまうから、チャンスはその日だけだったとさ。その時、親爺さんはどんな叫び声を上げたんだろうかね。

 抜いた4本の歯、乳歯でね。屋根に放り投げたそうだよ。そうすると良い大人の歯が出てくると言われてね。確かに数週間もしない内に永久歯が出てきたとさ。

 コーチャン、今回の処置で抜くの?。取り敢えず薬で抑えてタイミングを計るんだとさ。

 処で歯科医院の駐車場脇の畦道でね、親爺さん、春の便りを見つけたとさ。ピンクの小花を咲かせるホトケノザ。青い小花のオオイヌノフグリ。ここ最近の小春日和続きで目を覚ましてしまったんだね。昨年、親爺さんが最初にオオイヌノフグリを見つけたのは、確か2月の第1週だったから、今季はとにかく異例に暖かいけれど、その所為で満開になるまでの時期が早まっているかもしれないとさ。

 

2020年2月10日 (月)

眠り

  今日、久しぶりに利根川の川面でカモメ達が集団になって、多分小魚だろうね。漁っているのに出会ったよ。二度目の散歩時にね。例年、この時期になると見られる光景でね。陸から見て、小魚が何なのか。ボラの稚魚だろうと親爺さんは言うけれど、仮にシラスウナギの稚魚ならば、漁師さん達は怒り狂うだろうね。 とにかく卵から孵化した稚魚が群れて水面近くを泳ぐのは、春の兆しと親爺さんは言うんだけれどね。

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 処でそんな時期があるらしいよね。夜泣きに悩まされる時期が。月齢で七ヶ月になるアキちゃん。最近這い這いが盛んになって、勿論未だ自力で立つことは叶わないんだけれど、支えられて立つことを要求するようになってね。笑顔も見せるし親爺さんにとっても可愛い盛りさ。親爺さんの人生でケンニャン一人で終わるかと思っていた育児体験が、手伝いとはいえ幼子に悩まされる。それも70歳過ぎて立て続けに二度も体験できているんだから、長生きできることは幸いだよ。とは言っても、幼子を育てる苦労は何度やっても同じだとさ。

 ここ数日、アキちゃんは明け方になると目を覚まし、大声で泣くんだ。まるで悪い夢でもみたようにね。普通に考えると空腹か、体の具合が悪いかと想像するけれど、両親が見る限り、そうは見えないそうでね。もちろん本人の口がきけないんだから推測するしかないんだ。コーちゃんも未だそうだよ。彼の場合は発達障害故のコミュニーケーション能力に難ありでね。彼に対する経験から両親は勿論、親爺さんも言葉以外のボディランゲージと言うのかえ。身振りから兆候をできるだけ感じ取るようにしているんだけれどね。

 ともかく家族が皆、目を覚ましてしまうような鳴き声をあげるものだから、つまり起こされる側は常に睡眠不足状態でね。それでも母親は赤ん坊に添い寝で細切れに睡眠をとっているよ。父親のケンニャンは、そのまま眠れず仕事へゆくよ。コーチャンは保育園でお昼寝。親爺さんは、雑用を終えて気を抜いたらその場で居眠りに落ちてしまう。アタシは静かな家の内外で適当にね。睡眠不足が加算されているケンニャンの体調が一番気がかりだけれど、本人は同僚の育児経験者から、「それも一時の事」。そう聞かされて歯を食いしばって耐えているらしいね。

 一時の事であることは、親爺さんの体験でもそうだったとさ。コーチャンの場合は特殊でね。一度眠れば朝までそのまま。いや、ミルクの要求が毎晩一度はあったけれど、飲んでしまえばそれで眠りに落ちてしまったとさ。だから彼についての夜泣きの記憶は薄いとさ。

 こんな事は人に話しても何の意味にもならないから聞き流してちょうだい。なんとかこの時期を耐えれば人並みの睡眠がとれるだろうからと、皆頑張っているんだよ。

 

2019年10月29日 (火)

決めつけ

 昨日の夕方は雲一つ無い快晴だったんだけれど、今朝は朝から結構な降りでね。ここ最近、晴天が続かない感じだよね。まあ昔から”女心と秋”の何とかは変わりやすい。そう揶揄されるけれどね。

 昨日は親爺さん、疲労でブログを書く間もなく寝てしまったとさ。それでも床に入ったのは午後11時過ぎる頃だったよ。いやそれでね、昨夜はアタシとしたことがお恥ずかしい。和室の隅に物置き状態にされたコタツ机が置かれているんだ。その昔は部屋の中央に置かれていたんだけれど、アタシが毎夜、その下に潜り込んでいたものだから誰も足を突っ込まなかったんだ。アタシがその度に凄んだからね。昨夜、隅に置かれたそのコタツ机の下に潜り込んで眠ったんだけれどね、深夜、そこから出ようとして出られなくなってしまったんだ。何故だかわからないよ。(太った所為)

 困り果てて到頭声を上げて助けを求めたのさ。その声に反応して親爺さんが起きて来て、何とか机を持ち上げてくれたものだからその場から抜け出られたんだ。もっとも今朝は何食わぬ顔で通したけれどね。そうそう親爺さんの話だ。昨日は終日、月齢4ヶ月のアキちゃんを預けられてね、オムツを替えたりミルクを与えたりあやしたり。そんな間断ない世話仕事の合間に慌ただしくパンを齧るだけの1日でね。口にこそ出さなかったけれどかなり草臥れた様子だよ。

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 そして今日、マユちゃんに特段外出などの用向きは無い筈だけれど、けれどいつも突然ドアが開けられて、抱っこされたアキちゃん、親爺さんのベッドに置かれてしまうからね、彼女の足音が近づく度に緊張するとさ。

 夕方にはコーチャンのお迎えで、それ以降は彼が部屋に押し入ってくるのだから、静かに落ち着けるのも後わずかな時間しか無いよ。そんな日々で親爺さんが思うそうだけれど、息子のケンニャンと孫二人の世話をした、している。そして見守ることになる。そんな所作に男女差があるんだろうかとね。

 それ以前に親爺さん、母性愛を持つ女性が男より育児に向いている。適化されている筈。そう思っていたそうなんだ。なにより我が子との距離感が男より絶対的に親密だろうからね。面倒見も苦にならないだろうとね。

 結論を言えば、それは勝手な決めつけだったようでね。親爺さんが大変だと実感していることは、どうやら女性にとっても大変らしいとね。「あなたは、私が先に目を覚ましてこの児にミルクを飲ませている時も、オムツを取り替えている時も、脇でグ〜グ〜寝てる」。そんな不満をケンニャンにぶつけている様子が聞こえると親爺さん、肩をすくめてみせるんだ。彼女が言いたくなる気持ちも分かるようになったと言うんだろうね。

 40数年まえの親爺さんと母さんの葛藤を思い出すとさ。ともかく今は仕事らしい事もないから、自分の余生を家族のために使うことを惜しむ気持ちはないそうでね。むしろそれを楽しもうとさ。

2019年9月 5日 (木)

子育て

 今朝も昨日と似たような空模様。それでも少しは陽射しがあるかな。散歩には出たけれど、早々に切り上げたよ。なんとなく気が載らなくてね。

 親爺さん?。いつもと変わらずさ。家事と孫守り、その合間は自室でラップトップ膝に載せてね。アタシが覗いた時は居眠りしてた。親爺さん、庭に草が蔓延ってるよ。鉢のトマトも枯れてるよ。「分かっているよ!」。どうも気が載らなさそう。

 先日も触れたけれど、今の親爺さんはほぼ完全に主夫だね。主婦がいるじゃないかって。母さんはリタイアしてしまったしね。マユちゃんが後継者で今は産休中だから家にいるけれどね。じゃあ、少しは主婦役をつとめられるんじゃないか。いやいや。数十分間隔で何かを要求して泣き声あげる存在がね、彼女を24時間、傍に釘付けにしているんだ。”あ〜あ、仕事してるほうが楽”と彼女が愚痴ったとしても、理解はできるよ。

Img_8342  だから親爺さん、子育てはケンニャン夫婦の義務だし、育児の方針も彼ら夫婦が決めることだけれど、それに沿って求められることは、体力が可能な限りの手助けを惜しんではいないそうだよ。それでもアタシにはボヤくよ。「こんなにキツイとは・・・」。


  先日、施設を訪ねた折、母さんに言ったとさ。「今、息子達夫婦の育児をサポートしていることはいつも話すけれど、それにしてもつくづく思うよ。あなたは独りでよくやったね。よくやった」。ぼ〜っと窓の外を眺めていた母さん、黙って握手の手を伸ばしてきたとさ。

 そうなんだとさ。核家族生活で、周囲に手を貸してくれる親族もなくママ友は競争相手でね。当時の親爺さんは仕事に追われてね。公務員なのに休日もなく働いていたから母さん、家事育児、教育の全てを担っていたんだとさ。「もう育児は一回で沢山」。だから息子のケンニャン、一人っ子なんだとさ。

 今、親爺さんは自分の体験で、当時の母さんの苦労を理解し始めた処らしくてね。「子育てを終えた後の母さん、勝手し放題。それが故で今じゃ施設で車椅子生活に」。それも自業自得じゃないかと思っていたそうだけれど、ここ最近は、よく頑張ってくれた。そういう目でも母さんを見ているそうなんだ。

 

 

 

2019年7月 1日 (月)

療育

 ここの処、梅雨らしい日が続いているよね。湿気が高い所為で、2リットル容量はある除湿機の貯水タンクは一晩で一杯さ。6畳程の部屋一つでそうなんだ。日照りが続けば続いた形に一雨欲しいなどと勝手なことを言ってる親爺さんさ。玄関に寝そべっていたら親爺さん、なにやらスプレーを持ってくると、シューシューと辺りに霧を撒き散らせてね。何だと聞いたら消臭スプレーだとさ。何だい、アタシが臭いとでも。

 午後には先日生まれた赤ん坊、アキちゃんと言うんだとさ。そのアキちゃんが母親ともども帰宅するそうでね。さあどういう事になるか、興味深々さ。

 それに先立って親爺さん、今朝はアタシとの散歩を終えるやいなや、今度は孫のコーチャンを連れて出かけたよ。今朝の彼はパジャマを脱ぐ事を嫌がってね。結局はパジャマ姿で出かけたんだ。行き先は車で30分余の九十九里海岸方面にある療育施設でね。この施設へは4月ごろから通い始めたんだよ。言語と手先の動き。その発達遅れを何とかしようとね。

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 リハビリは、元々出来た機能を回復させようという訓練だけれど、この施設では、種まきに失敗して発芽しなかった。だから再度種まきを、というような次元からの訓練なんだとさ。待っていれば遅かれ早かれ喋れるようになる。世間ではそういう実例話も聞くけれど、今日親爺さんが手渡された処方箋では、それは正に楽観的に過ぎるそうでね。何もしなければ、このまま歳を重ねてゆくだけなんだとさ。

 「お爺ちゃん自身、作業療法士役になって・・・」。「え〜、本人をここへ連れてくるだけじゃダメなの」。「参考書を貸します。目を通してくださいね。その内容はお母さんにも説明しますから」。「母親は赤ん坊で手一杯じゃないかな」。「それならお父さんに・・・」。「とにかく日常の遊びこそ、訓練の機会ですからね」。療法士さん、厳しいことを言うよね。どうやら親爺さん、老骨に鞭打って、家族のためにもうひと働きだよ。

 「ちょっと赤ちゃん抱いててくださいな。授乳をお願い」。早速矢継ぎ早にマユちゃんの指示が飛び交い始めたよ。親爺さん、結構やるじゃない。

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