生物

2021年1月 3日 (日)

今年も

 今年も逢いに行ったとさ。

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 昨日で親爺さんは77歳。アタシは10歳。犬歳で言えば円熟の頃だね。親爺さんはね〜。昨日はほぼ半日、庭に出したキャンバス椅子に腰掛けた親爺さんと一緒に日向ぼっこさ。暖かくて本当に贅沢な時を過ごせたと思うよ。幸せな誕生日だと思わない?。

 で、今日はと言えば、朝陽が顔を出す頃、親爺さん、独りこっそりと玄関を出て車で走り去ったんだ。家族皆が朝食を済ませた頃に戻ってきたんで聞いたらね、隣町の農業用水の溜池に白鳥を観察に行ったんだとさ。

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 その溜池は八丁堰と呼ばれているのだけれど、白鳥の飛来で地元では知られているんだ。親爺さん、毎冬一度はその白鳥を訪ねているんだよ。数年前までは近隣から集まった子ども達相手の観察会を開いたりと、それなりに愛着ある場所なんだとさ。

 この溜池に白鳥が飛来するようになったのは、あるご近所さんが犬の散歩で池の土手を通りかかった折、無数のカモの群れに混じって一組の白い大型の鳥を見つけてね、思わずパン屑を投げ与えたのが始まりだとか。それが今では800羽を超える白鳥が毎冬を逗留する場所になるとはね。親爺さん、何年か前、そのご近所さんにインタビューして聞いた話だとさ。

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 これほどまでに増えた群れだけれど、地元ではだから観光地化しようということもなく、自然に居ついたんだからこのまま見守りを。そんな姿勢を親爺さん、”良し”とするんだとさ。毎年飛来した白鳥達を観ている親爺さんだけれど、今年はことの他愛らしく思えるそうでね。じゃあ今まではどう思っていた?なんて問われても答えられないそうだよ。

 気がかりがあるそうなんだ。千葉県内で発生した鳥インフルでね。その処置の矛先が白鳥達に向かないよう祈っているそうだよ。

2020年4月25日 (土)

ツバメ

 久しぶりだよ。ひと月ぐらいサボっていたんじゃないかな。その間に位置は真東を通り越して夏至の折り返し位置が写角に入るようになったよ。今朝はどういうことか、コーチャンに起こされてね。異例の事態に困惑しつつ窓の外を覗いたら、昨夜の雷雨が今朝は快晴の空さ。日の出直前でね、だから親爺さんを起こしたんだ。コーチャンが起きるには余りに早過ぎるんでね、親爺さんも驚き気味だけれど、それでも独り利根川岸に下りて行ったよ。

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 あれほど賑やかだった川面の水鳥達は、今朝は一羽も見えず、時折数羽のカワウが水面スレスレに飛び去って行ったよ。一方岸は賑やかでね。一番賑やかだったのはピーチクピーチク鳴くヒバリさ。遠くでウグイスと、チョットコイ、チョットコイと鳴くのはコジュケイ?。

 ピーピーと鳴く声はツバメ。ツバメが飛来しているのに気がついたのは先週さ。

 「あ〜ここにもウンチが」。え!、アタシを見ないでよ。いくらなんでもアタシが家の中の彼方此方にウンチを撒くなんて、そんなことしないよ。それによく観て。アタシのウンチとはちがうでしょ。「ツバメが入り込んでいたわよ」とマユちゃん。そうなんだ。昨日の夕方、開け放ってあった玄関からツバメが飛び込んで、家中を飛び回ってね。驚かさないよう少しづつ追い詰めて、ようやく少しだけ開けてあった勝手口から飛び出したんだ。

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 ツバメ達、きっと巣作りの場所を物色しているんだよ。風に吹きさらされる此処ら辺りは、ご近所さん達皆が風の通り道だと知っているそうでね。知らなかったのは、ここに家なんか立てた家の衆だけとは。

 実はツバメが巣作りして子育てしたことがあってね。あれは5年前だったよ。この写真がそうなんだ。ツバメは一度巣づくりすると、翌年の続くとは言うけれど、アタシんちの周辺には一組みのカラスの夫婦がいてね、これはこれでアタシのビスケットをいつも攫ってゆく。アタシにとっては許すまじ存在なんだ。そのカラスが巣を襲ってね。だからその翌年は巣作りしなかったんだ。今季はどうだろうね。

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 チチッ、チチツ。親爺さん、ツバメが又家の中に入り込んだよ。今朝のことさ。どうやら我が家は狙われている様子だね。去年秋、スズメバチが大きな巣を軒先に作ってね。親爺さんが落とそうとしてケンニャンに止められて、業者さんに頼んで落としてもらってね。巣作りにはもっといい処があるよ。そちらにおゆき。でも、差し障りない場所に巣を作ってくれたらと、アタシは密かに願っているんだ。絵!、家族皆同じ思いだって。嬉しいね。

 「ティシュがなくなりました。届けてください」。昼過ぎ、母さんが入所している特養施設から電話があったよ。電話に出た親爺さん、場所が場所。タイミングがヤバいからね。ドキッとしたとさ。けれどティッシュを届けろって聞いて、ホッとしたとさ。施設の玄関先にティシュボックスを置いて戻ったよ。施設のスタッフさんとは特に何も話さなかったけれど、彼らも話すことはなさそうな雰囲気でね。だから変わりない。そう勝手に解釈して一安心さ。

 

 

2020年2月20日 (木)

もぐら塚

 「ミミズがいるんだから生きてゆけるんだろ」。親爺さんが言ったんだ。

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 アタシは初めて見たんだ。昨日まではなかったモコモコ盛り上がった土の饅頭がね。なにしろ利根川の川岸に山土を土盛りして作った住宅地だからね。土の表面こそ草に覆われている今だけれど、それを剥げば砂地なんだ。けれど10年も経てばミミズも湧いて出るんだね。真夏の陽射しに堪りかねたミミズがコンクリート面で干からびているのを何度も見かけたからね。それを餌にモグラが生息してもおかしくはないとさ。けれど時季的には疑問があるとさ。まだ餌になるミミズや昆虫は活動してはいないだろうにね。それともこの暖冬に、もう眠りから覚めたんだろうか。処でモグラやネズミは冬眠はしないのかえ?。

 けれどアタシ的には初めて嗅ぐ生き物の匂いだから、モグラ塚って言うのかい。その土饅頭を一つ一つ追っていったんだけれど、アスファルト舗装で匂いは途切れてしまったよ。

 モグラって、その存在はかなり知られた生き物なんだね。親爺さん、公園の手入れされた芝生にモグラ塚をいくつも作られて、「せっかくの芝生が・・・」って、頭を抱えたことが幾度もあるそうなんだ。そんな公園でも、ノウサギやイタチを目撃した人はいても、モグラそのものを見た人は多くない筈だとさ。もっぱら地面の下で生きていて、道に迷いさえしなければ人前に現れることはないそうだからね。

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 * 写真はWikipedia から

 Wikipediaの記事には、モグラが所構わず人目に晒されるとすれば、仲間から追放され餓死した遺体。そんな記述があって、親爺さんもそれは体験したとさ。公園事務所の作業小屋の床は、コンクリートできっちり舗装され、猫一匹入れない構造なんだけれど、ある朝、そのコンクリートの上にモグラが死んでいたそうでね。どこから入り込んだのか、職員一同首を傾げていたそうでね。それでも皆、モグラを初めて見たものだから手にとってしげしげと観察したそうだよ。で、近所の県立中央博物館の知り合いの研究員に連絡したら、地中生物を研究しているという若い研究者がやって来てね。日本固有種だとか。それじゃあ遺体は・・・。こんなフレッシュな遺体はめったいないから標本にするって、持っていったとさ。前日にはモグラはなかったんだとさ。だから死んでまもない個体なんだろうけれど、Wikipedia の記述で知ったんだとさ。モグラは身体に似合わず大食漢で、けれど1日食べないとすぐに飢え死にしてしまうそうだよ。だからフレッシュな遺体だったんだね。

 ともかく、この住宅地にモグラが住み着いていることはわかったよ。

  

 

2020年2月 9日 (日)

様子見

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 今朝の親爺さん、踝あたりまでカバーする防寒コートを羽織っての散歩さ。とにかく北西の風が結構きつくてね、手足の先が切れそうな冷たさなんだとさ。事実見せられた指はね、両手で数カ所、硬化した皮膚がひび割れしたのか、血が滲んでいたよ。いつもどおり7時から8時にかけてが散歩時間なんだけれど、帰宅したらコーちゃん、独りスイッチの入っていない電気ストーブを前に冷たい床に座っていたよ。

 それを見た親爺さん、急いでストーブのスイッチを入れて、彼が常食するビスケットを与えていたよ。日曜日の所為なのか両親が未だ起きてこなかったし、親爺さんはアタシと外へ出ていたからね。「もっと早く起きなくちゃダメだよ。コーちゃん可哀想だよ」と親爺さん、結局10時過ぎに外へ出てきたケンニャンに一言。「それがアキちゃんがなんども目を覚ませて泣くものだから、明け方の4時近くまで寝られなくて・・・」。やれやれ。

 親爺さん、アタシとの散歩を終えた後、コーちゃんを誘って車で出かけたよ。10時前に帰宅したから聞いたんだ。隣町の八丁堰に白鳥の様子見に行ったそうなんだ。例年、冬になると白鳥が一千羽近く飛来することで知られた用水池でね。先々週、千葉市への道中、白鳥の群れが干潟の稲田に舞い降りて落ち穂ひろいをしていたのに遭遇してね。だから今季もやって来ていることは承知していたそうなんだ。それでも宿営する八丁堰を見ておこう。そう親爺さんは話していたんでね。

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 親爺さんとコーちゃんが現場に着いた頃は既に9時を過ぎていて、親爺さんの知る処では池の水面に朝陽が射す頃、つまり8時半頃から池に浮かぶ白鳥達は、餌場へ移動するため、離陸するブループ単位なんだろうね。いくつかの群れに別れるそうでね。で、親爺さんが現場に近づいた時、白鳥の編隊がいくつも堰の上空を旋回しながら干潟方向へ飛び去っていたそうでね。だから親爺さんが着いた頃には、もう余り残ってはいない様子なんだとさ。

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 今季の飛来数について、例年に比べてどうなのか。この暖冬だからね。それを知りたい処なんだけれど、いつも白鳥達に餌やりしているご近所さんらしき人影が確認できなかった。だから話を聞けなかったんだとさ。写真の通り、大砲のような望遠レンズを仕掛けた写真愛好家が大勢。日曜日だからね。それに車に同乗していたコーちゃん、余り関心なさそうな素振りだったとさ。そんな訳で、今朝は白鳥の様子見で終わりにしたそうでね。今月中頃までは再来のチャンスもあるだろうから、次の機会に良いシャッターチャンスを預けるとさ。

2020年1月27日 (月)

持って来るのを・・

 関東地方は明日、雪になるかも・・・。そうなんだってね。今日は朝から曇り空。冷たい北寄りの風が吹いて何時降り出してもおかしくない空模様さ。親爺さんと散歩に出て、何とはなしに空を見上げたら、大型の鳥が編隊を組んで飛んでったよ。「白鳥かもしれない」と、親爺さんが呟いたよ。

 月曜日の朝、家族はそれぞれ支度を済ませた出かけて行ったよ。いかにもかったるそうな雰囲気でね。昨日の来客が効いたんだね。盛んに「疲れた疲れた!」と言いながらだよ。アタシが観た処、来客が連れてきた二人の幼児のうち、6歳児が今はギャング・エージ真っ最中でね。コーちゃんのオモチャを最後には奪い取ったり、家中を走り回ったり。その児のお母さんの大変な様子は、観ているこちらも疲れ果ててしまったよ。

 そんな日の翌日さ。何かとストレスを鬱積させているアタシだからね。親爺さんにサインを送っているんだけれど気づかない。だから最近、腹いせにオシッコを床にしてやるんだよ。今朝もそうしてやったんだ。直ぐに親爺さん、アタシのご機嫌取りに寄って来るかと思ったら、逆だったよ。垂れ流したオシッコの始末に没頭して、アタシを睨んでも声一つ掛けずさ。

 そんな不穏な雰囲気を残して親爺さん、出かけてしまったんだ。何でも母さんに暖かい衣類を差し入れするためユニクロへ行ったとか。母さん、結構見栄張りでね。「ユニクロなんて・・・」。親爺さん、そんな母さんの意を聞かず、今はユニクロの機能性衣類が現環境には一番相応しい。そう思っているらしいよ。

 処で親爺さんが出かけた一番の用件はね、今朝方見かけた白鳥と思しき編隊の行き先を確かめると言うんだ。隣町の干潟地区の稲田のどこか、なんだけれどね。先日見かけた場所へ行ってみるそうでね。

 と言っても以前のように、施設のホームページで情報発信するという、取材目的がなくなった今、単なる親爺さんの好奇心なんだ。だからそれだけで車を走らせるには気がひけるとかでね。家族の買い物を用件に、少しばかり寄り道を。そんな名目でね。

 用向きを済ませた後、親爺さんは稲田の中を通り抜ける農道に車を乗り入れたそうなんだ。丁度折良く鳥の群れが頭上を飛んだとかでね。その行き先と飛来した方向を念頭に車の向きを変えていたそうだよ。一畝程度の稲田にざっと観て数百羽の白鳥が落ち穂拾いするんだから、多分、直ぐに落ち穂は尽きるだろうね。だから、白鳥達の餌場は日々変わる筈さ。先日の稲田は案の定、何もいなかったとさ。

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 それでも諦めずに走り回ったそうだよ。そしたら運良く、見付けたんだ。水が張られていたんだろうね。周囲が乾いた乾田に囲まれた一隅に水が溜まっていたんだとさ。そこに数百羽の白鳥が、それこそ泥んこ遊びでもしているように、泥を跳ねさせて、何かを競うように啄んで居たとさ。親爺さん、そこで気がついたんだ。カメラを持って来ることを忘れた。確か、家を出る時持ち出していた筈なんだけれどね。

 アタシはね、それが玄関の床に置きっ放しになっていることを知っていたよ。最近、親爺さんはしばしば忘れるよ。ボケじゃあないと思うよ。緊張感が欠けているんだね。

 そんな訳で、白鳥達の間近に近寄れて、よい撮影チャンスもあっただろうけれど、生憎さ。

2019年5月29日 (水)

タマムシみっけ!

 明け方には夜中から降り出した雨が止んで道路も乾き始めてはいたんだ。だから親爺さん、何度もアタシを散歩に連れ出そうとね、いろいろ誘惑されたけれど、何か気が進まなくてね。それでも不承不承歩き始めたんだけれど、家から数十m程の所でアタシは足を止めたよ。やっぱり止めたほうがいいよ。「しょうがないな。後でオシッコって騒いでも知らないぞ」って親爺さん。家の玄関先まで戻って来た時、ポツリと雨粒が。思わず空を見上げた途端、ザ〜ッと降ってきたんだ。やっぱりアタシの予感は当たるんだよ。

 その後はね、激しく降る雨に濡れながらコーチャンを保育園に送り届けたり、買い物に行ったりと親爺さん、朝食も摂らずに動き回っていたよ。そんな最中、郵便配達の兄ちゃんがバイクでやってきてね、親爺さんに封筒を渡していたよ。それを親爺さん、急いで開封するなり、「ヨシッ」てね。待ちかねていたリハビリ病院からの診断書でね、母さんの障害者手帳の交付申請に必要なんだとさ。

 早速市役所に行こうとしたら、今度は母さんの写真が見つからない。彼方此方探し回っても見つからない。しょうがないと、親爺さんの写真とパソコンの師匠の店に駆け込んで、プリントを頼んだりと。母さんが発症して、障害者手帳の交付申請ができるまでに半年。受理され障害者認定されるまでに三ヶ月。障害者が受けられる行政サービスが書かれたパンフレットを一読して親爺さん、「何だ、これだけか!」って一言。せいぜい確定申告での障害者控除。その程度らしいとさ。

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 夕方、家の隣の空き地でね、草叢で妙に照りのあるものを見つけたんだ。アタシが片手で転がしていたら、それを見た親爺さんがね、「そりゃ珍しいよ。タマムシだよ!」ってさ。もう死んでいるんだけれどね。親爺さん」「確か最後に見たのは現役時代、千葉市の泉自然公園に勤務していた当時、松林を飛んでいるところを見たとさ。その公園には池があって、その周辺では青や緑色の羽色を持つカワセミという野鳥が生息しているそうでね。親爺さん、毎日のようにカワセミを観察していんだとさ。そんな折、カワセミのように青く輝く虫が面前の樹に、まるで蝉が止まるようにね。

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 その話、アタシは以前にも聞いた記憶があるよ。その時も、お隣の空き地でタマムシをアタシが見つけた。そう思い出した。数年前、やはり家の近所でタマムシを見て、同じ話をしたじゃない。親爺さん、忘れているんだ。「そうだっけ。どうであれ、タマムシに出会うことなど、滅多にないよ」。その滅多に見ないタマムシを、アタシは見つけたんだ。

2019年5月16日 (木)

ハクレン

 昨夜は月夜。雨が降るおそれもなかったから、アタシは一夜を屋外で過ごしたんだ。珍しく猫の徘徊もなくて、明け方まで静かに眠れたよ。親爺さんも昼間の騒音で昼寝もならず、昨夜は比較的早く床についたんだ。で、今朝は日の出前の4時半には利根川岸に立っていたよ。

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 アタシも一緒だったけれど、日の出を待つ間、水面にポカリと浮かんだ魚の死骸をみつけたんだ。大き目のコイのようだった。目前を河口方向に流れていったけれど、しばらくしたら又、別の一体が流れてきたよ。親爺さんと観ている間につごう3匹、流れていったんだ。

 「ハクレンかもしれない」。親爺さんが言ったよ。

 先日、ケンニャンとマユちゃんが話していたんだ。二人が利根川河口堰を車で通った折、利根川の水面で大型の魚が群れて盛んにジャンプしていたのを目撃したそうなんだ。それを聞いた親爺さん、思い出したとさ。数年前、親爺さんが取り組んでいた千葉県旭市の刑部岬に建つ、刑部岬展望館の運営で、そのホームページの取材編纂を一手に担っていたそうでね。そのテーマの一つが利根川だったんだ。で、利根川に関係する話題探しとして訪ねた先に、利根川河口堰管理事務所があってね、親爺さん、そこの職員にインタビューしたんだとさ。その直前に、今朝と同じような光景を目撃していたから、当然ながらそれを尋ねたそうなんだ。

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 聞かされた話の概要はこんなことだったとさ。確かに川を流れていった死んだ魚は、ハクレンという中国から移入された淡水魚で、当初は食用を目的とされていたそうだよ。けれど思ったようには商品化できず、そのまま帰化生物として利根川や霞ヶ浦に生息していると言うんだ。で、毎年産卵期が近づくこの時季、利根川上流埼玉県久喜市あたりまで遡上している様子でね。好天続づきの夕方、集まって激しくジャンプを繰り返す様子が目撃されているそうなんだ。

 利根川河口堰辺りでも、運が良ければ観られるかも。それを聞いた親爺さん、何とかジャンプする光景を写真に撮って、ホームページに掲載しようと、そのチャンスを探し続けたそうなんだ。けれど刑部岬展望館の運営を担っていた期間内では、その光景に出会うこともなく、今はもうすっかり忘れていたそうだよ。

 川を流れていった死んだハクレンは、サケの例で推測すれば、多分産卵の重荷を下ろし、息絶えたメスの個体なんだろうね。チョットかわいそうな気もするよ。

 

2019年5月13日 (月)

カラス

 いきなり鼻先に何かがドサッって落ちてきたよ。ビックリしたな。

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 今朝も5時前には玄関先に出ていたんだ。そしたらアタシの鼻先にドシャって感じで何かが落ちてきたんだ。そしてピクピク動いていたけれど、暫くしたら動かなくなってしまったよ。

 ちょうど散歩へ出かけるために出て来た親爺さんがね、「雀じゃないか。ココ、何したんだ?」。何したって、アタシは何もしていないよ。いきなり落ちてきたんだ。親爺さん、その落っこちてきたものを拾い上げて暫く眺めていたけれど、「ダメだな」って、草むらに持って行ったよ。カラスに食べられると可哀想だから、草むらに隠したんだとさ。

 昨日、二羽の雀が路上でくんずほぐれつの喧嘩騒ぎを起こしていたからね。それに関係でもしてはいないだろうかね。直前に何かがぶつかる音など聞こえなかったし、本当に突然のことなんだ。

 散歩から戻って、玄関先に寝そべっていたら、また何かが落ちてきたよ。頭上を見上げたら、しばしばアタシが対峙するカラスがね、低く飛び去ったよ。落っこちてきたものを確かめたよ。先ほどのこともあったからさ。干物になった魚の尻尾。カラスの奴め、近所の魚屋から盗んできたな。この辺りの魚屋は、庭や店先に棚を置いて、しばしばその上に開いた魚を並べているんだよ。干物を作っているんだ。

 時に野鳥が家の中に飛び込んでくることがあるけれど、ここらを徘徊する悪ネコ同様、我が物顔のカラスのカップルが居着いているんだ。しばしばアタシのオヤツを横取るんで、彼らとは仲良くできないよ。 実はアタシの番犬仕事の定位置には水の器が置いてあってね、それをカラス達も利用しいているんだ。けれどカラス達は器の水を白く濁らせるんだよ。なにかご飯粒状の物を残してね。それに気づいた親爺さんが、時々水を入れ替えてはくれるんだよ。 先日もね、家族が出かけるというんで、留守番のアタシは庭に出されていたんだ。そのほうがオシッコの我慢をせずに済むだろうって、親爺さんの考えでね。本当は皆が帰宅するまで我慢できるんだけれどね。ともかくそんな事情で庭で食事することになってね、芝生の上に餌の器が置かれていたんだ。カラスの奴はそれを狙ってね、しつこく接近してくるんだ。一羽を追い払う間にもう一羽が餌を横取る。アタシがそいつを追う間にもう一羽が。アタシはヘトヘトになってね、もうどうにでもしろ!って気持ちで芝生に野転んでしまったんだ。

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 その時は親爺さんとケンニャン、マユちゃんの出かける支度を待つ間、窓越しにアタシとカラスの様子を見ていたらしくてね、出がけにアタシに声をかけて行ったよ。「留守番宜しく。イソップ物語だな」って。後で知ったよ。イソップ物語じゃあ、カラスが咥えている肉を奪うため、カアと鳴かせて地上に落ちた。それを犬が・・・。そんな物語じゃなかったっけ。今日もアタシは庭でカラスと対峙していたんだ。 

 頭上から白い液体が落ちてきたよ。見上げたら、いつもの悪カラスの夫婦が、じゃれ合うように飛び去ったよ。糞を落としていったんだ。そうやってアタシを挑発するんだよ。

 

 しばらくしたら、その内の一羽がアタシに近寄ってきたんだ。アタシの傍に置いてあるビスケット狙いさ。毎朝、散歩に出かける前に親爺さんがくれるんだ。それを食べたらお出かけでね。今朝は親爺さんがお掃除ロボットのセットに手間取って、だからビスケットをお預けにして待っているんだよ。それを奴は狙っているんだ。絶対渡すもんか。けれど時々、お向かいの家から猫が出てくるんだよ。それに気を取られている間に、サッとかすめ取られたことが何度かあるよ。悔しいけれどね。

 

2018年5月18日 (金)

ツバメ

 今朝は曇り空。午後には霧雨になったよ。
最近、利根川の川面に水鳥の姿を見かけなくなってね。代わるようにウグイスやヒバリの鳴き声が盛んになっているんだ。それに加わるように、ピーピー鳴く声も増えたんだ。
 
 「ツバメが飛んでる」。
玄関の外へ出てきた母さんが一言いったよ。
 アタシも昨日、それに気がついたんだ。家の周りだけじゃないよ。今日、散歩で街を歩いた時、道路を舐めるようにツバメが飛び過ぎていったよ。
 ツバメの餌になる虫達も増えたし、昨日は今年初めて、庭でアカテガニが這っていたのを見つけたんだ。以前、鼻をハサミで撫でられて以来、近寄らないことにしちるんだよ。春先から咲いていたネモフィラも散って、今は庭のツルバラに主役をバトンタッチしたよ。なんだかんだ言っても、アタシんちの庭では花爛漫な時季なんだ。総じて春過ぎて、夏に向かって季節が一コマ動いた様子だよ。

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 そう言えば、庭木のなかで一番成長の優等生だったジンチョウゲがね、葉が変色し始めてね。親爺さん、「こりゃダメだ」とさ。
 ウィルスに感染したらしくてね。土の中の線虫が悪さをする場合もあるらしいけれど、症状が出た時は末期なんだとさ。引き抜いて焼却する予定だけれど、せっかく庭で主役を務められるほどに成長してね、先々月は、よい香りを漂わせていたんだけれどね。

 話をツバメに戻すけれど、ここに越してきた当初、軒下の窓枠にツバメが巣を構えて、雛を3羽育てたんだ。3・11の年のことでね。
 家族皆でそれを歓迎して、静かに見守ったよ。けれどその翌年、再来してはくれなかったんだ。原因は分かっているんだ。
 アタシんちの庭に同じく住み着いているスズメ家族。彼らはツバメに手出しはしないよ。けれどこの辺りを縄張りにするカラスのカップルがね。彼らにはアタシもしばしばビスケットを横取りされるなど、腹立たしい存在でね。地上に降りてくれば、アタシが追い払うんだけれど、窓枠までは手が届かなくてね。
 おそらくツバメ達はその悪ガラスが原因で巣作りできないんだろうね。
今年こそ、再びツバメを軒下に迎えたいんだけれどね。

2017年12月17日 (日)

八丁堰

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 「ここんとこ急に増えたんよ」。
地元のオヤジさん達の目勘定じゃね、数日前に五百六十羽前後いたんだとさ。先月、親爺さんが下調べで来た時は、十数羽ほどしかいなかったとさ。それから比べれば一桁以上増えたんだけれど、今日は先週より更に多く集まったと言うんだ。
 寒さが厳しさを増した所為かな。

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 千葉県東庄町に県民の森があるんだけれど、その南隣に位置する農業用水池、八丁堰の白鳥飛来のことでね、親爺さん昨日に続いて今朝も出かけて行ったんだ。今朝は母さんが行ってみたいと言うんでね。

 今年、親爺さんは合計して三、四回池を訪ねただろうか。それなのに地元の人なんだろうか。でっかい望遠レンズ付きのカメラを三脚に据えたオヤジさんが話しかけて来たんだとさ。
 「あんたちょくちょく来るけれど、写真撮りにかい?」。そのオヤジさん、今朝もいたから毎日来ているのかもしれないとさ。だからここの主なのかも。
 ともかく親爺さん、「いや、野鳥観察ですよ」って応えたんだとさ。そうだろうね、持っているカメラは普通のレンズでね。そのオヤジさんの大砲にはかなわないよ。それでもオヤジさん、親爺さんが尋ねたわけでもないけれど、いろいろ話してくれたそうでね。

  来月、子供達の観察イベントの際、親爺さんが説明役を務めるんでね。聞いた話を有り難くいただいてしまったとさ。ただ、そんなイベントを企画しているという話は言い出さなかったそうだよ。

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 それにはちょっとした事情があってね。
野鳥観察や写真撮影を趣味とするコアな活動家はね、ともすると聖域意識があって、その他大勢には排他的に感じるような態度を取ることがあってね。だから親爺さん達のようにその他大勢に体験の機会を・・という活動とは葛藤が生じているそうでね。そんな状態は親爺さん達も、多分コアな人たちも望まないだろうから、できるだけ自分たちで事を済ませようとね。

 それに親爺さん、鳥の種類や見分け方といった説明をする積もりはないんだとさ。実は自然観察会での野草の説明や、ジオパーク見学会での説明にも参加しての印象としてね、植物観察の場合、枝葉を語って森を通り過ぎたり、岩石の種類を語って、大地の由来までには話がおよんでいなかったり。親爺さん、その事 情は分かるんだとさ。手の内に収まる事象は参加者に示せても、ビッグピクチャーは参加者の頭脳に描き出さないと、その場に提示できるものでもないからね。難しいんだとさ。

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 白鳥の観察は、だから種類の見分け方などの説明はせず、なぜ、八丁堰に白鳥が飛来するか。その理由を参加者に考えてもらおうという趣旨でいるそうでね。なまじ野鳥個体の知識は無い方が、話がぶれずに済む。そんなことを考えているんだとさ。でも親爺さん、この場に居あわせた人達の誰も、白鳥を飼育した経験者はいないだろうとね、密かに思っているんだとさ。親爺さんはね、公園で白鳥の飼育経験があるからだとさ。

 で、昨日話掛けられたオヤジさんの話から類推して、思惑に沿った説明内容が得られたそうなんだ。だからそのオヤジさんには今朝、「有益なお話をありがとう」。そう礼を言ったとさ。一方、同行した母さん、独り黙ってひたすら白鳥に視線を向けていたそうだけれど、初めての野鳥観察体験に感激ていたんだとか。
 まあ、良かった良かった。

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