遠足
昨日の荒天が過ぎたと思っていたけれど、生憎朝から曇り空さ。予報では午後から雨が降って来ることになっていてね。結果的には予報が的中して、出かけた親爺さん達は雨合羽姿で戻ってきたよ。家族皆が出払ってしまうからと、アタシは庭に閉じ込めをくらってね。無情にもお昼頃から降り出した雨に濡らされて皆の帰りを待っていたんだよ。
で、親爺さんはどこえ出かけたのかと言えば、先日述べたけれど、小学一年生になったコーチャンの初遠足でね、隣町の公園に行ったそうなんだ。発達障害を抱えているコーチャン、わかっているけれど、人一人つっききりでないと、団体行動の足手まといになるということでね。学校当局と我が家でいろいろ相談して、今回は保護者がコーチャンの面倒を全て担うことで、遠足参加が認められてね。親爺さんがコーチャンの遠足に同行したというわけなんだ。
* 写真は今日の遠足には関係ありません。
で、結論を言えば、道を歩く列の最後尾で親爺さんに手を引かれてもなお、徐々に足並みは遅れてね。なんと表現すれば良いのか、とにかく歩くことを楽しんでいるようでね。歌を口ずさみながら、視線は360度、それに仰角度に奔放に向けるから、その代償で足元がおぼつかなくてつまづいたりと。これじゃあ歩調も外れる訳だとさ。他の児童のように、歩くことに専念していないんだとさ。ただその光景は、親爺さんには馴染みでね。毎朝の登校がそうなんだとさ。どうやらそこから直さなければね。
公園に着いた後、児童たちお楽しみの遊具コーナーでね、コーチャン、水を得たように走り回り、側に密着する筈の親爺さん、しばしば彼を見失ったそうでね。それでも公園の外へ走り出るような恐れもなかったから親爺さん、コーチャンを静観していたんだとさ。
お弁当時、親爺さんの周りにはコーチャンのクラスメートが輪になって、しばしば「コーチャンの爺ちゃん、アタシのお弁当を見て、見て」とね。まるでままごとのような弁当を見て、その子の母親の気合を感じたそうだよ。対するコーチャン、父親が仕立てたご飯と焼きシャケの切り身の弁当を、それでも一生懸命食べていたそうなんだ。食事を済ませて子供達が、再び公園内を走り回っているうちに、降り出した雨が激しくなってね。皆黄色い雨合羽を着込んで帰途についたそうなんだ。
親爺さん、数年前まで続けていた子供達の自然教室や防災キャンプを思い出してね、久しぶりに楽しい記憶にふけったとさ。
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